Introduction 庭展なら とは

第1回の集まり
▲未来の庭師のため 立ち上がった

全国で躍動する庭師たち

2022年に奈良にて庭展を開催すべく、奈良県及び京都府南部で活躍する庭師、造園業者が集いました。

現在、造園業界ではSNSを基盤に全国の職人達が繋がり、仕事での表現の場は広がってきています。近年では、静岡での「天空の坪庭」、京都での「令和の坪庭展」、浜松での「庭には 、」、愛知での「尾張でお庭展」等と庭に関するイベントが全国にて開催、企画されており、庭師の技術の表現の機会が増加し、庭師という仕事が注目され始めています。

庭の在り方について考える

高度成長期に見られた日本的な庭づくりは、現在では数が減っています。

経済面からの観点でもバブル崩壊後、日本経済力の低下、悪化により、家に庭を持たない、持てないと言った状況下で、造園業者は会社存続のため、業務形態を変え生き残っています。

昔から行われてきた庭木の手入れは、職人の不足で多忙極まる業者も増えていますが、その一方で造園業の要の日本的庭づくりが激減しているのが現状です。

激減する理由としては、庶民の経済疲弊状況も挙げられますが、庭に対する価値観が薄れてきているようにも思えます。

第2回の集まり
▲第2回決起集会の様子
前年度より多くの庭師が委員会に加わった

暮らしの地盤を築く庭

近代社会のスピードの速さや過酷な労働を強いられる社会人の娯楽や癒しはタイムリーに金銭によって解決できる物で溢れかえっています。

しかし庭は季節の移り変わりを感じ、美しい鳥や蝶に出会える、スローで、成長を楽しむ豊かな空間です。

スピードを出しすぎた日本には今一度、この日本人が造る日本人らしい庭を楽しむという価値観を取り戻すタイミングではないかと考えています。再度、世界に向けて日本文化の素晴らしさや日本人にしか出来ない世界へのお役立ちをする事で、経済面の豊かさと心の豊かさが満ちていくように思います。

庭師の仕事ぶりを表現する場

高齢の職人の引退により作庭の技術継承の道も先細りしています。これは日本の庭文化を守る意味では無視出来ない問題です。

「庭展なら」は未来をつくる若手の庭師がパフォーマンス出来る場所となり、庭、憩いの場を構成する多様なお仕事、感性が集まった空間を来場者に見ていただき、庭師の仕事ぶりや庭の魅力を発信し、次世代への継承を紡いで参りたいと考えております。

個々の感性の違いや技術の差は有りますが、日本人として日本人らしい庭づくりの真髄が来場者の心に響くと信じております。